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塔婆(卒塔婆)の意味と供養 | 盛岡市の葬儀・家族葬なら駒木葬祭

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塔婆(卒塔婆)の意味と供養

2024年08月12日

塔婆(卒塔婆)は、お盆やお彼岸、年忌の際にお墓参りでよく目にするものですが、その背後にある深い意味をご存知でしょうか?
塔婆とは、仏教の儀式で使用される供養のための板で、その起源はインドに遡ります。インドでは、仏陀の遺骨(仏舎利)を納めるために「ストゥーパ」と呼ばれる仏塔が建てられていました。このストゥーパが中国を経て日本に伝わり、「卒塔婆」という漢字表記が定着したのです。

塔婆の形は一見シンプルな板に見えますが、実は仏教の宇宙観を反映した五輪塔を基にしています。五輪塔は「空・風・火・水・地」の五つの要素を象徴し、これらは宇宙を構成する基本的な要素とされています。日本における五輪塔を用いた供養は平安時代中期に始まり、特に密教の影響を受けて広まったとされています。このように、塔婆の形状には深い仏教的な意味が込められています。

塔婆は墓地や霊園で広く見られますが、これは単なる装飾ではなく、故人や先祖への供養を表しています。塔婆供養とは、故人や先祖が極楽浄土に行けるよう願いを込めた供養の一環であり、亡くなった方への深い思いを形にする行為です。

塔婆には、さまざまな重要な情報が記されています。表面には「キャ・カ・ラ・バ・ア」という五つの梵字があり、これらはそれぞれ「空・風・火・水・地」を意味します。また、仏を象徴する種子(梵字)、故人が仏弟子となった証である戒名、供養の回忌や没年月日、供養を行った年月日、そして施主名も記されています。

ただし、同じ仏教でも浄土真宗では塔婆を立てることはありません。浄土真宗では、亡くなった方はすぐに浄土へ往生すると信じられており、追善供養の必要がないと考えられているからです。この違いからも、仏教の多様性と奥深さを感じ取ることができます。

普段何気なく目にする塔婆ですが、その背後には豊かな歴史と深い意味が隠されています。この機会に、塔婆が持つ本来の意味を知り、故人やご先祖様への思いを新たにしてみてはいかがでしょうか。その一枚の板には、私たちの祈りと感謝の気持ちが込められているのです。